焙煎した豆の保管

焙煎した豆の保存に欠かせない条件とは何でしょうか?

もっとコーヒーの保存が気軽にできるようになるために下記の条件がコーヒー豆にどんな影響を与えるかを見ていきましょう。

  1. 気密性
  2. 鮮度
  3. 冷蔵

1.気密性
 酸化を防ぐには気密性が大事です。しかし豆から発生するガス(二酸化炭素など)を適度に逃がしていかないと、その気密性の高い袋はどんどん膨らみ破裂してしまうこともあります。そこで真空包装や炭酸ガスをうまく逃がすワンウェイバルブという袋の中から外へ適度にガスを抜くバルブがくっ付いた包装も選択肢に加わりました。シーラーと呼ばれる機械を使って気密性ある梱包状態を一度開封するまでは、外の空気が逆流し袋の中へ入り込む心配も要りません。

焙煎後に直ぐに豆をワンウェイバルブの付いた袋に梱包すれば、そのまま開封せずに包装したままの袋の内部が二酸化炭素CO2で一杯になり、ワンウェイバルブを通して袋の中の酸素を袋の外側へ追い出してくれます。

焙煎して日数が経つ毎に梱包した袋の内部にコーヒー豆内部から漏れ出たコーヒーガス成分や二酸化炭素CO2などが溜まります。その事は梱包袋の中のコーヒー豆1粒1粒を取り巻く空気に含まれる成分の濃度とガスの分圧を上げていく事に繋がります。その結果としてコーヒー豆内部の目に見えないほど小さな小孔部分に溜まっている二酸化炭素(細胞基質)を漏れにくくすることも期待できます。更に、目に見えない小孔ではなくて、コーヒー豆の内部の目に見える程度の隙間にも溜まる二酸化炭素などのガスは時間が経つごとに豆の外へ流排出していく結果、豆の梱包袋の分圧が高まり、上記の通り、袋内部に溜まる二酸化炭素が袋の中の酸素をワンウェイバルブを通して外へ出してくれる為、その増えるガス圧により、焙煎後のコーヒー豆酸化を防ぎながら豆の香りを比較的長めに豆の内部に保つことに繋がります。

しかしそのことが有効利用できるのは豆を購入した後に初めて開封する前までのことです。購入後は開封する度に袋に空気が入り込みます。包装の内部が再び高圧になるには豆から発生するガスが必要です。その事は大変重要で一度開封すればコーヒー豆から大量の炭酸ガスは発生しにくくなっているので、包装の内部が豆から発生するガスでパンパンに膨らみ酸素を袋から追い出してくれるということは期待出来ないでしょう。

1度開封した後は、ワンウェイバルブ付きの袋には、袋の内部圧力を程良く保ちながらコーヒー豆内部に含まれる二酸化炭素と香りの成分が抜けていくのを防ぐ役割を期待する事はできなくなりますが、包装の中の空気を脱気する事によりなるべく豆の酸化を防ぐことは可能です。袋のジップを閉じ後ワンウェイバルブを通して手で袋の中の空気を出来るだけ外へ押し、袋の中の空気を抜いておくことをオススメ致します。しかし脱気機器などにはかけないでください。吸い込むと同時に豆の内部から炭酸ガスと香りが益々抜けてしまいます。

購入後に瓶に入れてコーヒー豆を保管するのは良い方法です。普通のビニール袋では透過性もあるため、コーヒー豆を普通のビニール袋に入れたままにしておくと、コーヒーの香りはビニール袋の外へ移ってしまいます。しかし瓶ならば透過性もありませんし、まず破裂する心配もまず心配要りません。豆が傷つく事も防げます。上記の理由から、蓋を頻繁に開封する方にとっては密封性の機能のある蓋が付いた瓶じゃないとダメということもありませんが、密閉度の高い方がよりコーヒー豆の酸化や吸湿は防げるでしょう。

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しかし瓶保管には欠点もあります。瓶の中に保管している豆の量が減れば減るほど瓶の中に空間体積が増えて、益々瓶の中へ籠る空気は増えます。焙煎したばかりの豆を瓶で保管する場合、酸化が進行中の豆から出てくる悪臭なガス、そのうちの1種の成分ジメチルジスルフィド(CH3-SS-CH3)など、が瓶の内側に籠ります。瓶や袋の保管によって叶えられる香りの賞味期限は、悪臭が増えてくることを踏まえても、1週間と言われています。長期保管に向くわけではありません。

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2. 鮮度
 コーヒー豆の香りの成分は豆から出てくる炭酸ガスと一緒に抜けていきます。そのため、「鮮度を保つ=必ず気密性を保つ」ことだと思っている人も少なくありません。しかし、そうとも限りません。これには要注意です!豆を挽いた後は特に気をつけねばなりません。

豆を挽いた後は空気に触れている部分の豆の表面積が増えるので、急激に酸化が進み出します。お店で豆を挽いてから密封しようとして、脱気機器にかけられてしまうようなことがあればすぐに止めてください。脱気した瞬間に大分豆から炭酸ガスと共に香りが既に抜き取られてしまうからです。それでは鮮度も味も台無しです。香りやガスを抜き取られてしまうくらいなら、豆を挽いてから家に持ち帰ってすぐ飲む間くらいは、コーヒーが酸化することに妥協した方が良いでしょう。

 鮮度を保ってくれるものがあるとすれば、それは焙煎したばかりの「」そのものだと思います。豆は成分を保管しててくれるカプセルの様な役割も持っています。豆の焙煎の仕方によっては豆に目に見えないほどのミクロな亀裂が入り、短期間で揮発性の高いガスから漏れていきます。しかし余計な熱量や圧力で豆を焦がしたり傷つけたりしなければ、焙煎後1週間〜10日間程は豆自身がカプセルのようになって豆の中に成分を保管していてくれるものです。だから豆を粉に挽いてしまった時点でカプセルは粉々ということになりますから、豆の中のガスや成分がどんどん揮発し始める訳ですね。

3.冷蔵

それでは冷蔵庫や冷凍庫はどうでしょうか?焙煎したコーヒー豆の鮮度は保てるのでしょうか?その答えは近年とても効果的だということがわかって来ました。

冷蔵は湿気ある冷蔵庫では吸湿するのを避けなくてはならないという理由からオススメされておらず、冷蔵は水分は凍らせると結晶化により体積が増えるので凍らせると豆の内部の構造を壊してしまうので、豆の内部に含まれる香り成分とその他の二酸化炭素を含むガス含有量が一気に減ってしまうのではないか?という理由から避けられて来ました。

近年その答えは見直され、湿気の籠る様な冷蔵庫でない限り、鮮度がより良く保てることが解って来ました。ローストした豆に含まれる水分は僅か1〜2%程度で、凍らせても結晶化する程にも及びません。豆の構造を傷つけてダメージを与えてしまう心配は要らなかったのです。

冷凍で1〜2週間保管した豆を挽いた際に排出されるガス排出量と、普通の部屋温度で1〜2週間保管した豆を粉に挽いた際のガス排出量を比較しても、その差がほぼ無いことが実証されました。これにより豆の内部に含まれる水分の結晶化による豆の構造のダメージによって二酸化炭素などのガス排出スピードが上がる懸念は払拭されました。このことはSCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)により解明されました。

更に−25℃で70日間保管した際のローストした豆から排出されるガスの量は、35℃で2日間保管された時に排出されるガスの量と同等だということがSCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)により検証されています。-18℃で保管する豆は、25℃の部屋温度で保管した豆よりも2.5倍低いオフガス率(ガス排出率)です。その事は-18℃で保管すると、もし普通に保管した際の賞味期限が4週間だとすると、冷凍で保管する豆の賞味期限は3ヶ月〜12ヶ月に延びます。(SCAAのFreshness Hand Bookより引用)

上記のことを踏まえると、3ヶ月以上も長期保存してから飲みたいと思わないのであれば、結局、焼きたての豆を冷蔵や冷凍をする必要はないかと思います。特に焙煎して1〜2週間で鮮度あるうちに飲み切りたいという方へは冷蔵や冷凍はオススメしていません。それよりも焼きたて鮮度のある内に美味しく飲むことを是非とも優先して下さい。

4.まとめ

これらを踏まえると、購入後開封してから気密性にこだわって賞味期限を延長させることは非常に困難です。賞味期限を延長することよりも、そのコーヒーの鮮度のあるうちに賞味期限内に美味しく飲み切ることがオススメです。10日間〜2週間程度で飲み切れる量の豆を買ったのならば保管する際に気密度などほとんど気にしなくても良いですし、冷蔵や冷凍する事も必要ないでしょう。直射日光が当たるのを避けるのと湿った空気の場所に置かない様に気を配る事だけで十分です。

湿度や直射日光を避ける為には、出来るだけ空気を入れない様に売られている時からコーヒー豆を梱包しているビーンズバッグに入れて置くだけで保存しておくだけでも十分です。分厚いアルミニウムのビーンズバッグなら更に直射日光の影響を避けられるでしょう。

もし2週間〜10日間よりも長く豆を保存しておこうと思っている方は、冷蔵や冷凍により品質の劣化を遅らせられます。約3ヶ月程は保管していたいという方へは冷蔵と冷凍をオススメ致します。しかし、約2週間〜10日間くらいで飲み切れると思う量ずつ買って鮮度の高いうちに飲みきるのがコーヒーを1番楽に楽しく美味しく飲むコツだとお勧めします。

保管に大切な条件

  1. 鮮度の高いうちに飲みきること自分で1ヶ月程度で飲み切れる量を知っておく。
  2. 酸化をできるだけ防ぐこと:湿度の高い場所に保管しない。気密性のある瓶などに入れて保管する。
  3. コーヒーが持つCO2を鮮度の指標とする:コーヒーを梱包する気密性ある袋か瓶の内部に溜まるCO2のガスの分圧を高め、それを指標としながらも、コーヒー豆内部に含まれる他の揮発性のコーヒーの香りの成分もなるべく豆から抜け出ない様に保管する。(1度開封した後は、コーヒーの適切な抽出時間やクレマの出方を指標とすることもできる。)
  4. 豆に傷が付くのを防ぐ:瓶などを使って豆をなるべく傷つけないように保管し、コーヒー成分が豆から出来るだけ漏れ出ない様に工夫しましょう。
  5. 豆が吸湿してしまうのを避ける:直射日光、高温多湿を避け、涼しいところに保存する。
  6. 豆を粉に挽いたら直ぐに抽出する。:豆を挽くと一気にコーヒーの酸化が進み、急速に豆の細胞の1粒1粒の中に含まれる二酸化炭素が抜け始め、香りも味も急速に劣化し始めます。ぜひ挽きたての新鮮なコーヒー豆を抽出してみて下さい。

 

おまけ

質問:なぜ豆から炭酸ガスが抜けてしまうと、ドリップで味が薄くなってしまうのでしょうか?

答え:ガスが抜け落ち過ぎてしまったコーヒーは、ドリップで抽出する際に、お湯をかけても膨らまなくなります。そうなってしまうと、コーヒーの豆の組織が開きにくくなり、成分の抽出効果が悪くなってしまいます。

焙煎してから程よいガス抜きは抽出を簡単にしてくれる効果がありますが、ガスを抜き過ぎてしまうと、ドリップ抽出では良い味を引き出せなくなります。

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コーヒーの香り

コーヒーの香りでリラックス効果と集中効果の違いがある!

*コーヒーの香りを嗅いで脳波を図りました
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杏林大学医学部の古賀良彦教授は、コーヒーの香りが人の脳にどんな影響があるのかという興味深い実験をしました。
実験では、20代の女性10人に5分間隔で6種類のコーヒーの香りを数十秒間ずつ嗅いでもらい、その時の2種類の脳波(アルファ波とP300)を測定しました。
アルファ波は「人がどれだけリラックスしているか」、P300は「人がどれだけ集中して情報処理をしているか」を測る指標を表します。
コーヒー豆は、ブラジルサントス、グァテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイ・コナの6種類、そして比較対象のため蒸留水も用意。淹れ方は中挽きした豆を90度の熱湯で抽出しました。

*コーヒー豆の種類で脳波が違う

実験の結果は:
アルファ波が多く出現する、つまり
リラックス度が深い順は、

1、グァテマラ
2、ブルーマウンテン
3、モカマタリ
4、蒸留水
5、ブラジルサントス
6、ハワイ・コナ
7、マンデリン

また、P300の出現する速さの順、つまり
集中度が高くなる順は、

1、ブラジルサントス
2、マンデリン
3、ハワイ・コナ
4、蒸留水
5、ブルーマウンテン
6、グァテマラ
7、モカマタリ

という結果になりました。

*コーヒー豆を場合によって使い分ける

この結果は興味深いですね。
コーヒーの香りが脳に与える効果は豆の種類によってかなり違うのですね。
古賀教授は、二つの実験結果に基づいて、リラックスした時と集中したい時と、目的によってコーヒー豆の使い分けを勧めています。

この6種類のコーヒーでいうと、
リラックスしたい時
→グァテマラやブルーマウンテン
集中したい時
→ブラジルサントスやマンデリン
と使い分けることができますね。

*香りと上手に付き合う

香りというのは、人の心を深い部分で動かす不思議な力を持っています。
これを上手に使えば生活を豊かにする良い手段になるのです。

コーヒーを飲むときには、味と一緒に香りの違いを使い分けると、毎日の生活がいっそう充実したものになることでしょう。

 

*注

アルファ波(α波):
アルファ波は脳波の一種。
脳波とは、脳の神経細胞から出る弱い周期性の電流のことで、アルファ、ベータ、シータ、デルタの4つに分けられる。
アルファ波は、8Hzから14Hzの周波数の領域で、脳波からアルファ波が多くでると、リラックスした状態になる。瞑想すると脳波はこのアルファ波の状態になる。

また、脳波がアルファ波の状態になると、β-エンドルフィンというホルモンが分泌され、このホルモンはストレスを低減、解消したり、脳を活性化させたり、体の免疫力を高め、様々な病気を予防する効能がある。このような効能からアルファ波は生理学・心理学などの様々な研究目的で用いられている。

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P300:周波数による脳波の分類

P300は特定の事象を見極めたりするときなど、脳が活発に活動する際に出現する脳波で、ある事象からどのくらいの時間でこの脳波が出てくるかを測ることで、「情報処理能力」を測る指標になる。
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コーヒーの精製方法

1. コーヒーの精製法とは

私たちがコーヒー豆(生豆)と呼んでいるものは、実はコーヒーの果実の種なのです。

コーヒーの果実からコーヒー豆(種)を取り出す方法をコーヒーの「精製法(加工法、処理法、プロセッシング)」と言います。その方法には色々とあり、それによってコーヒーの味も違ってきます。︎

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    コーヒーの果実

       ⬇︎

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     コーヒー豆      

 

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コーヒーの果実の構造
①生豆(胚乳)
②シルバースキン(銀皮)
③パーチメント(内果皮)
④ミューシレージ(ペクチン層)
⑤果肉(中果皮)
⑥果皮(外果皮)

コーヒーの精製法とは、コーヒーチェリーから②~⑤を除去して①の生豆を取り出すことです。
②のシルバースキンは取り除かれずに残ったままのこともありますが、焙煎によってほとんど消失します。

2. 精製法の種類

*ウォッシュド(水洗式)
1.果皮⑥と果肉⑤をパルパーで除去

2.ミューシレージ④を発酵槽で除去(フリーウォッシュド)
ミューシレージ④をリムーバで除去(セミウォッシュド)

3.洗浄・乾燥(天日や機械乾燥)含水率11〜12%になるまで

4. 脱穀(パーチメント③を除去)して生豆に

*ナチュラル(アンウォッシュド、自然乾燥式)
1.果皮⑥と果肉⑤がついたまま広げてカリカリになるまで乾燥

2.脱穀 ③④⑤⑥を除去して生豆に

*パルプドナチュラル(ハニープロセス)
1.果皮⑥と果肉⑤とミューシレージ④をパルパーで除去

2.ミューシレージ④を残さないで乾燥(ホワイトハニー)
ミューシレージ④を25%残して乾燥(ゴールデンハニー)
ミューシレージ④を50%残して乾燥(イエローハニー)
ミューシレージ④を75%残して乾燥(レッドハニー)
ミューシレージ④を100%残して乾燥(ブラックハニー)

3.脱穀(残ったミューシレージ④とパーチメント③を除去)して生豆に

*スマトラ式(ウェットハル)
1.果皮⑥と果肉⑤をパルパーで除去

2.ミューシレージ④のついたまま乾燥(含水率40〜50%)

3.脱穀(ミューシレージ④とパーチメント③を除去)

4.生豆の状態で乾燥(含水率が11〜13%)

 

3. それぞれの特徴

*ウォッシュド(水洗式)
・雑味がなくクリーン。
・酸味、華やかな香りが出やすい。

*ナチュラル(アンウォッシュド、自然乾燥式)
・酸味が穏やか。
・独特の香りと甘み、ボディ感がある。
・エチオピア、イエメン、ブラジルで採用。
・最近では中米などで意図的に採用。

*パルプドナチュラル(ハニープロセス)
・酸味がやわらかく、甘みも強い。
・大量の水を必要としないのでコスト削減。
・流通量が少ない。
・ハニーコーヒーと呼ばれる

*スマトラ式(ウェットハル)
・酸味は穏やか
・独特の香りと余韻
・濃厚なコク
・インドネシア、スマトラ島の精製法。
・唯一生豆の状態での乾燥。

4. まとめ

コーヒーの味は、通常「酸味・苦味・コク・焙煎度」の表記で分類されていますが、実は、それ以上に「精製法」の違いがコーヒーの味に与える影響がとても大きいのです。豆の種類と焙煎方法、そして「精製法」との組み合わせで様々な味が出てくるのです。

「精製法」はコーヒー豆の個性を生かし最高の味を出すために日々工夫され改良されてきています。

今後コーヒーを選ぶときには、どんな「精製法」が使われているのか注意を払ってみてはいかがでしょうか?

店長のこだわり

Black River Coffeeは標高の高い山の農園でミネラルたっぷり吸収して育つ成分豊かで新鮮な豆を焙煎しています。

その豆を育てたコーヒー農園主がどのような味を世界の人々へ届けたいと思って収穫したコーヒー豆なのかについて、常に気を配って焼かせて頂いています。それには精製方法、カッピング、エスプレッソ、水分含有率、化学的反応のタイミング、豆の物理的形状などをよく観察しながら焙煎を重ねます。その結果たどり着く、その豆に潜在する味が一番引き出せる焙煎方法を豆から教わることに深い面白さを感じて日々焙煎しています。

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焙煎という作業を大きく2つに分けますと、「蒸らし」と呼ばれる豆からの水分を抜く作業の後、豆を「焼く」作業に入ります。もっと細かく節目を区切ることもありますが、大きく分けて2つに分かれます。そうした瞬間的な各段階の全てのプロセスをいかにして通りながら、1ハゼ手前で豆が自ら発熱するタイミングへどう繋げるかを考えて焼いています。

基本的に全てのプロセスで、「投入温度」、「火力」、「排気」をコントロールします。それぞれのバランスに気を配るようにそれぞれのプロセスをうまく通り抜けていきます。そのプロセスの節目節目にて、豆をよく観察することでうまく通り抜けて来ているかどうかを教わり続けています。

焙煎して直後の味のみにこだわらず、豆をできるだけ痛めつけることなく焼いた豆は無駄に成分が漏れにくく、抽出時に豆の中に含まれるたくさんの成分が溶けやすい為、そこそこ日数が経ってもほぼ一定の平たい味になってしまうことはなく、抽出してから毎瞬毎瞬立体的に変化する味と香りを幅広く長く楽しめることと思います。

いろいろな国のコーヒー農園が届けたいと思って育てた豆が持つフレーバーと味を、できるだけそのまま日本で引き出すことへ、これからもBlack River Coffeeは日々チャレンジし続けます。

ありがとうございます。

Sincerely,
BLACK RIVER COFFEE ROASTERS

 

 

 

 

 

コーヒーのポリフェノール

コーヒーのポリフェノールは動脈硬化を予防する!

1. 動脈硬化はどうして起こるの?

動脈硬化というのは、身体の中のゴミや不要な物を食べてくれる白血球の一種であるマクロファージが血管の周りで凝り固まってしまい、血管が圧迫されることで引き起こされる症状です。

マクロファージが血管壁に凝り固まってしまうのは、処理しなければいけない「不要なもの」が血管に多く存在するからです。「不要なもの」が血管に溜まりすぎると、マクロファージはそれを分解処理するために血管壁に居座ることになって凝り固まってしまい動脈硬化を引き起こすのです。

2.「不要なもの」ってなあに?

マクロファージが血管壁に凝り固まってしまうのは、処理しなければいけない不要なものが血管に多く存在するからだとは既に話しましたが、その増えすぎてしまう「不要なもの」とは何でしょうか?

それは活性酸素☆1参照)によって形が変わってしまった酸化LDL☆2参照)です。酸化LDLが多すぎるとマクロファージの分解処理が間に合わず溜まっていき、マクロファージは身動きできなくなります。これがマクロファージの凝り固まる原因です。

3.動脈硬化って防げないの?

コーヒーを飲むとそれを防ぐ効果はあります!

コーヒーというのはクロロゲン酸というポリフェノール☆3参照)の一種を含んでいて、それがとても良い効果を発揮してくれるんです

クロロゲン酸というポリフェノールは悪玉コレステロールが変形(酸化LDL)する原因となる活性酸素を減らしてくれるのです(抗酸化作用)。悪玉コレステロールが変形しなければ血管壁に溜まることもありませんから、マクロファージも凝り固まることもないですね。

そしてもう一つ。

マクロファージが食べて処理できずに溜めてしまったコレステロールを引き抜いて肝臓に戻すことをしてくれるのが善玉コレステロール(HDL)なのですが、カフェ酸やフェルラ酸は、その善玉コレステロール(HDL)の機能を高める作用があるのです。コーヒーにそんな効果もあったなんて驚きですね。コレステロールを引き抜く作用を助ければ、マクロファージも血管壁に凝り固まることもないですね。

マクロファージが血管壁に凝り固まるのを防げれば、動脈硬化も防げますね。

4. まとめ

コーヒーのポリフェノールは、活性酸素を除去し、血管壁に溜まったコレステロールを引き抜くのを促進する効果があり、動脈硬化による心臓血管疾患を予防します。
調査では、コーヒーを1日に大きいカップで3杯くらい飲むと最大の効果があります。

参照

☆1)「活性酸素」とは酸化力の高い活発な酸素の化合物に変化したものです。私たちが呼吸で身体の中へ取り込む酸素量2%ほどが活性酸素となると言われています。体内で発生した活性酸素は、抗酸化物質や抗酸化酵素の働きにより大半が消去されますが、過剰に発生した活性酸素種は DNA、脂質、酵素、タンパク質 などを酸化させます。こうして身体内で起こった酸化損傷は、老化現象、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病をはじめとする様々な疾患の発症に深く関わっています。

☆2)LDLというのは一般的に「悪玉コレステロール」と呼ばれています。LDLはもともと悪いものではないのですが、増えすぎて活性酸素により変形して酸化LDLになると悪さをするので「悪玉」と言われています。ちょっとかわいそうですね(笑)。
その悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)の違いは、肝臓から身体中へコレステロールを運ぶ時にLDL、身体中から肝臓へコレステロールを戻すのがHDLです。本当はどちらも私たちの身体に大切で必要なものなんです。

☆3)「ポリフェノール」とは植物が自分の命を守るために作り出す生体成分で、動物の身体では生成されない成分です。植物の樹皮や表皮そして種子に含まれています。虫や小動物などによる外的刺激や、光合成の過程、紫外線により生じる活性酸素から、植物自身が自ら命を守る為の整体防御物質です。ポリフェノールは人間の身体内で、抗酸化作用を有することが確認されています。

 

 

エスプレッソの抽出

エスプレッソから学ぶ自分の理想の抽出方法!

注目した抽出条件(これらの順に紹介していきます。)

  1. 焙煎してからの日数
  2. 気候
  3. 放置時間
  4. ドーシングの細かさと量
  5. レベリング
  6. タンピング
  7. グループヘッドから出るお湯の温度
  8. 抽出圧力

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フィルターバスケットとポルタフィルター

 

1.焙煎してからの日数

焙煎してからの日数は品質を最も左右する要因になります。エスプレッソがマシンから出てくる時に、豆が新鮮かどうかは一目瞭然です。新鮮な豆は蜂蜜のようにトロリとしたクリーミーな赤茶色で出てきます。豆が古いと、その抽出は水っぽくて薄い色で出てきます。

 焙煎して間も無い豆が一番良い味を出してくれるのではありません。焙煎仕立ての豆は炭酸ガスを多量に含み、膨らみ過ぎる為、コーヒー豆にお湯を均等に散布することが非常に困難です。エスプレッソの抽出に使う豆は、焙煎してから最低でも3・4日は寝かすことが必要です。通常ですと1〜2週間程度はガス抜きした豆を使うのが一般的です。だからと言って、1ヶ月以上も経つ豆では豆が持つ風味オイルが劣化し風味は損なわれ、そのオイルは苦味に変わってしまいます。ミルのホッパーにこびり付くオイルも苦味に変わりますので、欠かさず掃除します。焙煎の仕方や豆の種類によっても違いはあるものの、焙煎してからどれくらいの期間ガス抜きするのが良いかを見極める必要があります。

 

2.気候

高温と湿気は豆の酸化を非常に高めます。コーヒー豆は吸湿性があり、豆が吸ってしまう水分は風味を含む豆のオイルを凝固させてしまいます。結果ミルで豆を挽くと、ポロリと湿ったコーヒーの粉の固まりができてしまいます。とても抽出を遅らせます。

逆に乾燥していると豆は風味を損ないます。コーヒー豆自身が元から含む水分は風味を維持するのに非常に重要なのです。冷蔵庫や冷凍庫に豆を保存しておくと、その中で乾燥し、急速に蒸発をすることで豆の内部の水分が奪われてしまうことになります。それはつまり風味を損ないます。これはエスプレッソ以外にも共通して言えることではないでしょうか。

 

3.放置時間

ミルで粉にしたコーヒーは、すぐに風味オイルの酸化が始まる為、豆の中で豆が保持していた大切な風味が損なわれ始めます。挽いた後、気候条件があまりにも暑くて乾燥しているなどしている日などは2・3秒ですぐ劣化が始まるとも言われています。粉にしたらすぐに使い切ることをお勧め致します。

比較的暖かい日に、コーヒーの粉がグラインダーの歯の中に留まって放置されると、水分と風味を失って抽出のスピードを早める結果となります。その時、抽出のスピードを遅らせようとして、誤ってミルを調整し、豆を細かく挽き過ぎてしまうのが失敗しやすい落とし穴です。それで全くマシンからエスプレッソが出て来ないことで悩まされます。

 

4.ドーシングの細かさと量

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ミルで挽きながらコーヒーをポルタフィルターの中に乗せることをドーシングと言います。

美味しいエスプレッソを作るにはジャストな抽出スピードを叶えてくれる細かさになるように挽く必要があります。フィルターバスケットのサイズにもよりますが、挽いた豆16g〜22gほどの量をポルタフィルターに乗せます。水は水分のある場所を好んで流れていくので、抽出のお湯が漏れずに均等に流れるようにポルタフィルターを乾拭きしてからドーシングは行います。

 

5.レベリング

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手の平でドーシングしたコーヒーの粉の密度を均一にし、表面を水平にする作業がレベリングです。レベリングが上手いと、抽出のお湯が均等にコーヒーを通って流れてくるため風味を効率よく引き出せる可能性を高めます。

 

6.タンピング

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タンピングとはタンパーという道具でレベリングしたコーヒーの粉を固める作業です。できるだけ窪み無い様に押し固めた表面をなめらかにすることで圧力のある熱湯がぶつかっても壊れない状態にします。13.6kg(30ポンド)くらいの力でタンピングすることを心がけています。押してそのままタンパーを360度ほど回転し、表面を艶やかにします。

粉の密度の低いところは抽出されすぎて苦味やカフェインが多く出ます。逆に密度の高いところは風味がほとんど抽出されません。加圧されたお湯に対して均等に抵抗がかかることを理想としています。

 

7.お湯の温度

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お湯の温度も抽出のスピードを決めるのに重要になります。エスプレッソの抽出には25秒〜30秒程で抽出するのが良いとされています。そのためには、住む環境の気候条件にもよりますがグループヘッドから出てくるお湯の温度も90度〜96.5度に設定します。使用する豆の焙煎の深さによってその温度は異なります。浅煎りの豆は深煎りの豆よりも高温で抽出すると良いです。設定したらなるべく一定に保ちます。温度が高すぎると抽出は出て来なくなります。逆に低温すぎると液状で薄いエスプレッソが太く勢いよくマシンから出てきます。

 

8.抽出圧力

抽出圧力も抽出のスピードと大きく関係します。抽出圧力は低すぎると抽出スピードが早すぎて水っぽく酸っぱくなります。コクとクリーミーさに欠ける味になります。抽出圧力が高すぎると抽出が遅くなり、加抽出になりがちで苦味が増してしまいます。クレマに黒い筋が入り黒っぽいエスプレッソとなるので一目瞭然です。

 

まとめ

これらの抽出条件に注目すると、実際にコーヒー豆から存分に最高の味を引き出してくれる「抽出時間」と「抽出圧力」で抽出することに集中することができます。

もちろんエスプレッソ以外の他のコーヒーの抽出方法の中にも、「最高の抽出時間」で抽出を叶えるのに必要な条件は隠れています。

ご自身のペースで、そのような条件を見つけることを楽しみながら抽出していると、徐々に自然と一杯のコーヒーにも心がこもります。お好きなコーヒー豆から最高の味を引き出してあげてみてはいかがでしょうか。

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