運送の詳細や保険、運送中の危険を背負う者は輸出者なのか誰なのか?などの情報が不透明であるビジネスはコーヒーのバイヤーや生産者たちを怖がらせるので”C”プライスは気にするべきです。それでは一体”C”プライスとは何でしょうか?
コーヒーはこれまで投資家や投資ファンドが投資したコモディティのその時期の相場価格を基準に取引されるものだったからです。インスタントコーヒーや缶コーヒーにブレンドされるロブスタ種のコーヒーはロンドン証券取引所で価格設定され、スペシャルティコーヒーに多いアラビカ種のコーヒーはニューヨーク証券取引所でそれぞれ価格設定されて取引されます。この様にコモディティ商品(化石燃料や貴金属、農作物などの製品市場を結ぶ主要な役割を担う商品)であるコーヒーが取引されている市場のことを”C”マーケットや”C”プライスと呼ばれているのです。
”C”マーケットの先物取引契約において、生産者と買い手の間の契約有効期限によって決める指定された価格で指定された量のコーヒー(何カートン分もの量)を購入することに同意することで成立します。
本来バイヤーがコーヒーの1kgもしくは1poundあたりの単価を決めるのに、コーヒーそのものの価格だけでなく商品以上の価格を込めています。労働者の賃金だけで無く、肥料や収穫後の作業代、保管、海上保険料、輸入関税、その他運送にかかる費用、品質維持の程度に応じた保険など様々な料金が含まれています。いつどこで誰が何の輸送に責任を負うのかを一点の曇りも無く透明化しています。国際商業会議所によって定められたFOB などのインコタームズという契約により売主は貨物を積み地の港で本船に積み込むまでの費用とリスクを責任を負いそれ以降の責任は買主が負うことになります。又、Free Carieer (FCA)というインコタームズの定義だと、売主が輸出通関手続きを済ませ、買い手側が指定した場所で指名した運送者へ荷物を渡すまで売主が全て責任を負うことになります。(逆に、追加の梱包及び積み込み料金と一切のアディショナルチャージを除く売主の倉庫による受け渡すコーヒーの価格EXWもあります。)
しかしこれらのインコタームズの契約を見てみると売主と買主の契約により農園という生産者との契約をしっかり取り行っている様に見えますが、そのバイヤーが”C”プライスで農園からコーヒー豆を購入しているかどうかは不透明です。逆にFOBやFCAは農園がしっかりと生活費も稼げているかどうかのバロメーターにもなりえます。なぜならFOBやFCAの契約だと、更に買い手に価格を”C”プライスで決められていた場合、農園が受け取る純利益には生活費すら稼げない 程度であることはほぼ確実だという測定基準にもなり得るからです。それ故、我々小規模ロースターにとってもその透明性への第一歩は必要です。
”C”プライス価格は気候変動や人口減少などの社会問題による生産するために必要なコストなどは配慮されないまま決定されてしまうことが大きな問題点です。”C”プライスは過去の収穫量や推定された生産量の情報に基づいて予め予測されるその年の収穫量や生産量を推定し、実際の収穫が行われる事前に既に決定される価格なのです。
温暖化による気候変動や山火事の影響、戦争による影響を受けての物価上昇、運送会社のドライバー不足、そして害虫の病の影響を受けたりしない土壌や品種改良などに掛かる設備投資により農園が負担する生産コストは年々上がりつつありますが、”C”マーケットでは生産者の立場を配慮することは無く、製造者である買い手の立場が有利な市場取引となってしまうことが欠点です。”C”マーケットで価格を決定する為にその生産者の生産コストが配慮されることはありません。 しかし、ダイレクトトレードと言って農園とバイヤーが直接取引きする場合は全く逆です。バイヤーが農園やその組織と契約した価格(農園へ支払うCプライスの金額)以外に掛かる運送費や保険、燃料追加請求費、通関手続きの費用、コールドチェーンなどに掛かる品質維持費、その他に掛かる費用が含まれていないのでバイヤーの手元に届くまで最終価格はとても予測出来ないほどに跳ね上がっていることがあり得ます。ダイレクトトレードは最も高価格な買い方なのです。そのほかにもスポット価格での購入の仕方がありますがダイレクトトレードが最もリスキーな買い方だと言われています。
この”C”マーケットは急変動の影響を避けるために行われ始めた取引です。もし万が一、積荷を積む船が事故で海に転覆して供給量が減少してしまうと価格は高騰してしまいますし、逆に生産量が予測以上に大量に生産されてしまい過ぎると供給量が需要量を上回ることになり価格が安くなってしまいます。これらの問題を避ける為に、コモディティ商品を取引の時点で予め決められた価格で売買することを約束する契約を製造者と生産者の間で結ばれ始めたのです。しかし上記に記載した理由から、為替市場に必要な取引きになり得るもであることは認めますが、その効果は生産者とバイヤー双方にとって期待出来る取引になりえるものでは到底ありません。品質維持管理体制が不透明なルートでコンテナからコンテナへ移し替えられてHubから日本へ8ヶ月以上かけて移動するレギュラーコーヒー以下の品質の市場など日本に本当にあるのでしょうか?そこには我々エンドユーザーであるコーヒーを飲んで頂く顧客が信頼し尊敬できる現地の輸出社と問屋Wholesalerの弛まぬ努力と農園への協力があってこそ存在する付加価値が透明化され見えて認められる迄は正確な価値など決められる訳がないのが実状です。
経験上、私が焼いたコーヒーを他店舗へ卸売をしてきた中で、過去のとある卸売先だった他店舗様は1グラムあたり0.9円以下の価格でもスペシャルティコーヒーの豆を農園から直接取引されていたのを覚えています。私がスペシャルティコーヒーを問屋から購入する価格よりも遥かに安かったのです。味もとても美味しくてコーヒーの倉庫を持って品質維持にかかる経費を配慮しても1グラムあたりの単価が0.9円以下の破格の単価というのには目も疑いました。しかしながら農園の生産者側が負担する生産コストは今も急上昇中で、”C”マーケットでの買い手が主導権を握る取引では圧倒的に買い手が有利な取引になってしまいます。この背景には植民地時代の奴隷制度の名残が残っていることを思わせられます。農園がいくら頑張って美味しいコーヒーを作っても製造国主導の取引価格ではとても安く買い取られている現状が続いています。
ポートランドでお会いしたインドネシアの農園の組織のCEOにお話を聞いた際、農園の組織のCEOは「現在、私たち農園で働く若い年代層にとって農園を受け継ぐことは生きる為の唯一の最終手段ではもはや無いの。若い子達にはもっと楽に沢山稼げる方法がたくさんある。将来に向けてコーヒーの市場に期待が持てなくなると、現在農園で働く若い世代の生産者の親たちも生活費がちゃんと稼げるか心配になり「もう辞めたら?」と囁かれていることが増えている」と話します。インドネシアで農園を受け継ぐことよりもSNSで学ぶ賢い若者はカッコよいと思える海外の国でバリスタになったり店舗を持つことを仕事をすることへ憧れる方が年々増えていると聞きました。どんな仕事を選ぶのも一人一人個人の判断に自由に任せているそうですが、若い者同士結団し一緒になれば、必ずコーヒーの市場に期待することができるという見解が持てると信じて営んでいるとそのインドネシアの農園主は熱くパッションを込めて語ってくれました。
又、シカゴで出会った農園主は若手の20代の女性でした。その女性の農園主とは土壌改良の工夫についてのSCAシカゴ2024年のクラスで一緒になった折にお話をお聞きできました。その農園主の両親は農園を受け継いではおらず母親はお医者様だったのですが、祖父が代々受け継いで来たコスタリカのコーヒー農園を祖父とご両親をとても愛する感情から農園を引き継ぐことをひたすら前向きに考えていました。儲かるか否かよりも親子の絆がコーヒー農園をやりたくなる気持ちにつながっていたのがとても印象的でした。
こうしたスペシャルティコーヒーの農園の若い層の生産者だけでなく、サプライチェーンの中の農園と空港や港での積荷下ろしと税関への申請中の保管をする運送会社や、最良品質を維持しながら輸入するQCグレーダーなどその他の労働者の方々の生活費がきちんと支払われているか否か確信するのには、”C”プライスが提案する価格帯以上の価格が必要であることは気に留めてコーヒーの価格帯を気にすることが必要だと思います。消費者側から生産者へ目を向けて対価の支払い方を気にせずに居て、お客様が日常で買うコーヒーが安ければ安いほど安心してリラックスできるということはありえません。現在単純に値札だけ見て安ければ安いほどリラックスできるコーヒーである理由など無いのです。
私たちが何気なくリラックスしてよく飲むコーヒーはすべての生産者とその他のサプライチェーンの労働者の賃金に生活費さえも含まれていないケースがあることを知って驚かされます。生産者とバイヤーとの契約はインコタームズによる港の積荷からの運送費や国内の輸送のコストにも責任を負っているプライスが含まれているのですが、だからと言って双方にとってwin-winな決め方の”C”プライスになっていないとも限りません。現代では気候変動など様々に予期せぬことが原因で収穫量が激減しつつあり、農園が払う生産コストが高くなる頻度がとても高いです。これからも高品質のコーヒーを栽培する農園の方々になるべく一貫した利益を生み出しながら、コーヒーを飲むことをこよなく愛する方にとって常に純粋な喜びの源であるという約束を果たせる可能性を高めていける様に焙煎士を務めます。個人的にはコーヒーの美味しさに偶然は無いという信念に基づいてCプライスを気にするべきだと考えます。
In the C-Market, 3rd party which can help importing or exporting professionally decides the price of coffee beans on a pledge. The price transparency is not clear because 3rd party decide the price of coffee beans before the time when farmers finish their cropping. Without taking care of the necessary cost for farmers to finish shipping their products, the 3rd party decides the price which they need to pay for farmers. If farmers failed cropping to be influenced by climate change, farmers would be annoyed by the less payment by the 3rd party.
The result is a globally acknowledged pricing matrix which fails to take into an account and frequently fails to meet or exceed the cost of production, much less a living wage for the farmer.